ゲイハウス完結編
前回の記事では、Air bnbを使って泊まったらホストのギリシャ人男性がゲイだったという話をしました。まだ読んでいない方は先にコチラを。
今回はその完結編です。
どうすれば最悪の事態を回避できるのか
状況をまとめると、「ゲイと同じ屋根の下で二人きりで過ごす」ということになります。
しかも、僕はすでに3泊分の支払いをしてしまっていました。
ゲイと二人きりで3泊…自分の思慮浅さを嘆いても後の祭りです。
しばらくベッドの上で、心を落ち着かせます。
明日の観光のことはそっちのけで、この状況について考えを整理していきます。
起こり得る最悪の事態は何か。
もちろん肉体関係を迫られることですよね。
しかし、こちらも大人の男です。
もし彼が強引に迫ってきたとしても、何とか振り払って逃げることはできるはず。
ということは、怖いのは不意打ちだけ。
つまり、寝込みさえ襲われなければ大丈夫。
ここまで考えると少し肩の力が抜けてきました。
同じ屋根の下で過ごすと言っても、当然寝室は別々です。
つまり、部屋の鍵をかけて寝れば、寝込みを襲われることもない。
なーんだ、心配しすぎだった。
そう思って鍵をかけようとドアに近づくと、なんと…
鍵がない!!
なんと、鍵がありません。
ないというか、元々あったのに無理やり取られた形跡があります。
確信犯じゃないか。
また急に心臓がバクバクと鳴り始めます。
なんとか鍵をかける方法はないか考えました。
バックパック用のキーチェーンを使う、重い家具でふさぐ、など色々試してみましたが、ダメでした。
あぁ、終わった。。
なす術のないときに感じるこの無力感。
「お母さん、ごめんなさい」
「アーメン」
祈りながら眠りに
これ以上考えても仕方がないので、諦めて寝ることにしました。
あれこれ考えたけど、ただの考えすぎだろう。
ゲイはゲイにしか興味ないって聞いたことあるし、大丈夫。
そう自分に強く言い聞かせ、ベッドに入ります。
緊張のせいか、暑苦しさのせいか、なかなか眠ることができません。
翌日も朝からバリバリ観光する予定なので、早く寝なければ。
羊が1匹、羊が2匹…徐々に瞼が重くなっていきます。
・・・・・・
どうか何事も起こりませんように。
そう祈りながら眠りにつきました。
そしてドアは開く
そして数時間後、浅い眠りについていると…
・・・・・・
ガチャッ
・・・・・・
…ん?
寝ぼけながらも、ドアを開ける音がかすかに聞こえます。
ぼんやりしていた頭が徐々に冴えてきます。
(…そうだ、今日はゲイの家に泊まってるんだった…)
急に心臓の鼓動が速くなります。
ドクンドクン
(やめてくれ…来ないでくれ…)
布団をかぶり、寝たふりをします。
・・・・・・
キーーーーッ
・・・・・・
ドアを開ける音がします。
心臓が激しく鼓動します。
ドクンドクン!ドクンドクン!
(これはやばい!!戦わねば!!)
そう思ってベッドから飛び起きて電気を付けます。
そこには…
するとそこに彼の姿が…
・・・・・・
彼の姿が…
ありません。
あれ?
おそるおそるドアの外を覗いてみても、誰もいません。
おかしいな…
たしかにドアを開ける音が聞こえたんだけど…
Tシャツをさわると、汗でびちょびちょになっています。
夢か幻か
何もないことを確認し、高まった胸の鼓動を落ち着かせ、再び眠りにつきます。
・・・・・・
朝、目を覚ましても、特に変化は見つかりません。
彼もまだ部屋で寝ているようです。
あれは夢だったのでしょうか、
それともあまりの恐怖心による幻聴だったのでしょうか。
今となってはわかりません。
ただ、その翌日も、何も起きませんでした。
それどころか、彼は色々気遣ってくれるナイスガイ(ゲイ)でした。
疑ってごめん。
そう心の中で謝っておきました。
新たな刺客
安心したのもつかの間、3泊目の夜、一人の男性がやってきました。
あれ、部屋は二つしかないはずだけど…と思いホストの男性に聞いてみると、
宿がなくリビングでいいから寝させてほしい頼まれたとのこと。
僕には何も言う権利がないのでなるほどねと返事。
関心はもちろん、「彼もゲイなのか」ということ。
もしそうだとすると、今晩は二人のゲイと同じ屋根の下…。
しかも相変わらず部屋の鍵はかからないので、また同じような恐怖体験が待っているかも…。
ただ、もし僕が彼に「君はゲイかい?」と聞くと、前編で書いたホストの男性とのやりとりの再現みたいになるのでやめました。
後日談 ~それでも彼(ら)はゲイだった~
その夜も、何事もなく過ぎました。
ゲイに掘られるという人生最大のピンチは回避されました。
しかし最後の疑問が未解決のままです。
すなわち、新たに来た男性がゲイなのかどうか。
ホストの男性とはFacebookを交換しており、
彼の家を出た翌日にチェックしてみると…
バッチリツーショットがアップされていました。
それを見て僕は確信しました。
2人ともゲイだ。しかし、心優しいゲイだ。
邪魔者はただ立ち去るのみ。
あとは二人きりで楽しんでくれ…
と、心の中でマッカーサーのようにつぶやきながらその場を去りました。
(完)
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