ヘンなベトナム人 2人目:土産屋のオニイサン編
ベトナムを旅したときに遭遇したヘンなベトナム人の話です。
1人目~靴磨き青年編~はこちらの記事をどうぞ。
僕の大事なサンダルが大変なことになってしまったエピソードを紹介しています。
本記事では2人目、ホーチミンの市場にある土産屋で遭遇したお兄さんとのエピソードを紹介します。
お土産を買いに市場へ
ホーチミンには市場がいくつもあります。
多くの市場は屋内にあり、このようなわりと立派な面構えをしています。
この市場ではお土産や日用雑貨が売られていたり、屋台もたくさんあったりと、人々の生活の中心であるとともに、観光客でにぎわうスポットともなっています。
ベトナム観光の最終日、僕はこの市場でお土産を探すことにしました。
市場の中に入ると人が多く、とても活気があります。
だいたいどの店も人が多くいるのですが、お土産をゆっくり選びたい派の僕は比較的静かな一画にある土産屋に入りました。
しかし、この選択が間違っていました。
店内には店員が2人、1人はレジにいて、もう1人は商品の整理や接客などをしていました。
客は僕を含めて2,3人程度と少なめ。
周りに気を取られることなくゆっくりとお土産を見ることができました。
怪しい気配
店内をゆっくり物色していると、突然、背後に気配を感じました。
それと同時にお尻のあたりに何かが触れる感覚が。
何だ??と思い後ろを振り返ると、さっきの店員の1人(長身男性)が通り過ぎていきました。
(店内も狭いし、通り過ぎたときに手が当たったのだろうか…)
少し気味悪さを感じながらも、思い過ごしかと思い、気を取り直してお土産の物色を続けます。
しかしこのあと、この気味悪さが恐怖に変わります。
確かな感触
しばらく店内を見ていると、また背後に気配を感じました。
恐怖で身体が固まってくるのがわかります。
そして次の瞬間、何者かの手の確かな感触をお尻に感じました。
・・・・・・!!!!!!
(確実に触られてる…この野郎!)
そう思って手を振りほどこうとしました。
しかし・・・・・・
どうしたことか、身体に全く力が入りません。
(あ・・・う・・・あ・・・)
金縛りにあったかのように、動けないのに加え、声を出すこともできません。
人間はあまりの恐怖に直面したとき動くことも声を出すこともできなくなることを、このとき僕は悟りました。
「オニイサン、カッコイイネ」
そして彼は次に僕の手を握ってきました。
それと同時に耳元でこう囁くのです。
「…オニイサン…カッコイイネ…」
!!!!!!
全身にゾワゾワっと鳥肌が立ちました。
日本語かよ!とツッコむ余裕はもちろんありません。
今の僕はこの変態ベトナム人(たぶんゲイ)になされるがまま、立ち尽くしているのみです。
数秒その状態でフリーズしたでしょうか。
このままではヤバいと思い、何とか力を振り絞って手を振りほどき足を動かしてその場を去ろうとしましたが、一歩一歩が気の遠くなるようなスピードでしか進めません。
サヨナラオニイサン
しかし彼は、公衆の面前でもあるためか、それ以上追いかけてくることはありませんでした。
安全な距離まで離れたことを確認して振り返ると、彼は若い(たぶん10代後半)イケイケな感じのお兄さんでした。
最後に僕にウインクをして彼は他の客への接客を再開しました。
しばらく茫然自失した僕にはもうお土産を探す気力は残っていませんでした。
ごめん、家族、友達…
でも大事なところは守ったよ。
そうつぶやきながら僕はベトナムをあとにしました。
サヨナラ、ベトナム。
サヨナラ、オニイサン…。
(完)
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