ドイツ語ビギナーの語学学校体験記
日本には英会話スクールがたくさんありますよね。ネイティブまたは日本人講師が英会話を教えてくれるやつです。
語学留学やワーホリの人たちが通うのが現地の語学学校です。
ほとんどの場合は現地語を勉強するので、カナダやオーストラリアなど英語圏の国であれば英語だし、ドイツであればドイツ語、フランスであればフランス語を習います。
ワーホリや留学のひとつの壁が言語だと思います。
しかも、留学エージェントで聞いたりネットで調べてみてもなかなかヒットしないのが、「語学学校とはどんなところで、どんな人たちと、一体どんな勉強をするのか」という肝心なところです。
そこで今回はその不安を払拭するべく、語学学校の体験レポートをできるだけ詳細に綴ってみようと思います。
ほぼゼロからのスタート
まず設定からお話します。
僕の場合、大学の第二言語でドイツ語を学びましたが、「単位を取れればいいや」程度の勉強しかしておらず、正直あいさつ程度しか覚えていませんでした。
全くではないけど、ほぼゼロから、といったところです。
通った学校は、ドイツ・ハイデルベルクにある Alpha Aktiv という、エージェントでは申し込めないような小さい学校です。
僕の場合、主に安いから(大手の7割程度の授業料)という理由で個人で申し込みました。
授業はどの学校でもレベル別に分かれており、下からA1、A2、B1、B2、C1となっています。この基準はドイツ国内では共通です。
僕の学校ではさらにA1-1、A1-2、A2-1、A2-2…と細かく分かれていました。
ひとつのレベルが終わるのに、だいたい1か月。
つまり、A1-1→A1-2に上がるのに約1か月を要する計算です。
それぞれのレベルのテキストを進めていって、終わったらテスト。受かったら次のレベルに進むというシステムです。(不合格の場合はもう一度そのレベルのテキストで勉強する。)
このあたりは学校、クラス、コースによって進度が異なります。
いざ登校初日
ワーホリ計画時、HPから問い合わせのメールを送ると、翌日には返信がありました。
期間、コース、ホームステイや寮などの希望を伝えると見積書が送られてきます。
それでOKということで送金し確認されると手続き完了です。
レベルについては、初日にテストを受けて決まるとのこと。
いざ初日。
受付に行って名前を告げると、「あ~あなたね!」との返答。
無事申し込みができていたことに一安心。
しかしここで最初の衝撃が。
僕「クラス分けのテストを受けたいのですが。」
受付「えっと、あなたドイツ語は勉強したことある?」
僕「大学で少しだけ…」
受付「じゃあレベルはA1-2ね。教室は〇〇だから。はいがんばって。」
僕「あ、はい…」
・・・・・・
あれ、テストは?
こんなテキトーにクラスを決められるとは…
まぁでもこの感じだとクラス分けテストなんてなさそう…。
スタートから不安が広がります。やはり大手を選ぶべきだったか…。
(結局、のちになってこのクラスは自分に最適だということがわかったのでこれはよしとします。)
チュニジア軍団との出会い
言われた通り教室に行くと、先生とおぼしき一人と、生徒とおぼしきもう一人がいました。時刻は9時ちょっと前。空いている席に座って待っていると、続々と生徒が集まってきます。
クラスのメンバーは、韓国人1人、アルバニア人1人、チュニジア人4人。(途中でアルバニア人と台湾人が入れ替わった。)
自分含めて計7人。半分以上をチュニジア人が占めています。
※日本人がいないのはマイナー校のいいところですね。
あとでわかったことですが、この学校にはとにかくチュニジア人が多いのです。
おそらく全部のクラスを合わせても半数近く。
独特なチュニジア人たちの生態系(?)は後半で紹介します。
授業内容は案外普通
授業について紹介します。
授業の形式はオーソドックスなもので、テキストとCDを使って進めていきます。
内容は1週間で2課(レッスン)ずつ進みます。
1レッスンごとにテーマがあり、新しい文法事項や単語、表現などを勉強していきます。テーマは例えば引っ越し、病院、旅行など、これもオーソドックスなもの。
授業は9:00~12:15の3時間。(途中休憩15分)
このテキストを使って、文法事項や単語を先生が説明したり、新しい表現を使って生徒同士で会話の練習をしたりします。
また宿題も毎日出るので、その答え合わせも冒頭に行います。
テキストの他に問題集があり、宿題はその日習った事項について問題集をやってくるという流れ。分量はだいたい1~2時間で終わる程度です。
レベルの低いうちは文法問題や作文がメインですが、レベルが上がるにつれて長文を読んだりエッセイを書いたりする宿題も出るようになります。
ドイツ語を勉強したい人のための、ドイツ語による、ドイツ語の授業
当然ながら授業はドイツ語にて行われます。
つまり、ドイツ語でドイツ語を習うわけです。これがなかなか大変。
最初のうちは初めて聴くネイティブのドイツ語を全く聴き取ることができず、先生の説明や質問もポカーンでした。
しかし数日すると耳が慣れてきたのと、基本単語を覚えたのもあり、ある程度理解できるようになりました。
まぁ下から二番目のクラスなので、先生もかなりゆっくりしゃべってくれるし、あまりにもこちらが理解していないと思ったときには英語で説明もしてくれました。
語学に大きな不安がある人は、「一番下のレベルから他の人たちと一斉にスタートする」タイミングで申し込むことをおすすめします。
クラス開始の時期は学校案内等に記載されていると思うので、チェックしてみてください。
僕はやや遅れで入ってしまったので最初苦しみました。
ここがヘンだよチュニジア人
さて、クラスの半数以上を占めるチュニジア人たちはとっても個性的。
というか、我々日本人の理解を大きく超えた人たちでした。
授業の内容には直接関係ありませんが、授業の雰囲気には大きく関わってくるので、驚いたことをいくつか紹介します。
時間にルーズ
朝9時が始業なのですが、9時には絶対に来ません。
5分くらいの遅れ、とかでもありません。
平気で20分くらい遅れてきます。
歩いて5分くらいの寮に住んでいるにも関わらず。
また途中で休憩が15分あるのですが、15分では戻ってきません。
平気で30分くらい休憩してから戻ってきます。
さすがに先生もしびれを切らし、休憩時間をホワイトボードに書くようになったのですが、効果なし。
すでに授業を再開していても悪びれる様子もなくおしゃべりしながら戻ってきます。
授業は積極的?
時間にはルーズですが、やる気がないわけではないのです。
授業中の積極性は我々の斜め上をいきます。
どのあたりが<斜め>かと言うと…
先生にあてられてもないのにドンドン答えます。
これは素晴らしい積極性ですね。
さらに、彼らは他の生徒があてられていてもお構いなしで答えます。
あてられた生徒が一瞬でも迷ったり間違った答えを言うと、「待ってました」と言わんばかりに声を大にして答えるのです。
これにはけっこう驚きました。
また、先生がストップと言うまで答え続けるし、テキストを読み続けます。
発音が間違っていても関係ありません。誤魔化しながら読み続けるのです。
質問があると先生の説明中でも遮って質問します。
納得がいかないと「でも、でも…」といって聞き入れません。
しかし…
宿題はやってきません。
授業中は母国語でおしゃべりし続けます。
テスト中はやたらヒントを欲しがります。
英語とドイツ語ごちゃ混ぜで話したりします。(←これは気持ちわかる)
チュニジア人のメンタリティ
同じ人間なのに、ここまで違うものでしょうか。
日本人(アジア人)のメンタリティとは違いすぎて言葉が出ません。
しかし当初はこんな彼らに圧倒されていたのですが、慣れてくるとおもしろくなってきました。
同時に気後れしていては全部持っていかれてしまうので、ある程度見習って常に一番前の席に座ったり質問もするようにしました。
(他の生徒があてられているときに答える勇気は最後まで持てませんでしたが…。)
彼らに負けないようにと積極的になれた点に関しては感謝しないといけません。
彼らの多くはドイツ語を勉強してドイツの大学で勉強する(=ドイツ語で試験を受ける)ことを目指していました。年齢も20歳前後の人たちが多かったです。
もちろんチュニジア人以外でもそういう若者は多くいましたが。
彼らと一緒に勉強したのは2か月だけだったので、その後どうなったのかはわかりませんが、聞いたところによるとちゃんと大学に行けるのは彼らのうちの何割(もしくは数%)かだけなのだとか…。
でも、自分が高校生だったころには考えたこともないような行動をしている若者と多く出会えたことは良い経験だったと思います。
2か月での上達度は?
丸々2か月、学校に通いました。
お金を無駄にしたくなかったので無遅刻無欠席。
レベル的には、A1-2からA2-1、A2-2が終わり、B1が始まったところで終了になりました。
感覚としては本当に基礎の基礎が終わったといったところです。
正直この段階では普通に会話できるレベルには達していません。
文法や表現はある程度ストックができてきたので、あとは実践を積んでいけば少しずつ話せるようになるかな、というレベルです。
振り返ってみれば、行ってよかったなと思います。
ドイツに行く前に自分でテキストを買って勉強しようと試みましたが、それに比べて圧倒的なスピードで上達したと思います。(当然ですが…。)
語学留学であれば、これを1年続ければそれなりに会話ができるようになるでしょう。
僕の場合は語学習得がメインの目的ではなかったので、これ以上時間とお金を費やせず…残念ではありますが、あとは独力で勉強、上達に努めました。
刺激的な経験
いかがでしたでしょうか。
途中少し脱線してしまいましたが、リアルな体験を共有できたのではないかと思います。
異国の地で国籍もバラバラの人たちと外国語を勉強する、というのはなかなか刺激的な経験です。語学上達だけでなく、いろんな要素が語学留学には含まれているので、これからワーホリや留学を考えている人は楽しみにしてもらえればいいなと思います。
実はチュニジア人たちとは寮でも刺激的な共同生活を送っていたので、それについてはまた別記事で書きたいな~と思っています。
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こんちには。私は今大学2年生で、夏休みに1ヶ月間語学留学としてalpha aktivに通うことを考えています。学校で困ったことや寮生活について詳しく教えていただきたいです!
26さん
留学いいですね!
良くも悪くも個人経営っぽくて小ぢんまりしててテキトーなところもあります。笑
でも特に問題だったことはなかったと思います。
具体的に聞きたいことがあればコメントに書いてもらえれば答えますよ^^